ふりかえり ― 学びの質を高める ―
授業の終わりに、その時間に学習した内容や感想を書いたり発表したりすることが多い「ふりかえり」。教師側での学びの「定着確認」や「把握」の目的で使われることが多いですが、本来は子供たちが、自分が何に気づき、次にどのように学ぶかといった見通しを立てるために使われるものです。また、授業の最初や途中で、関連のある内容を思い出すために振り返ってみることもあります。「ふりかえり」の内容には、簡単な順から、「したこと(活動)」「わかったこと・できるようになったこと」「どう学んだか・どうして学べたのか(学ぶことができた理由)」という種類があります。
「今日の国語では、登場人物の役に分かれて本文を読みました」というように、どんな活動をしたのかを振り返ったとします。これは、したことの記録は残りますが、その後の学びに参考になるとはいえません。そこで、「したこと」から、「わかったこと・できるようになったこと」を探して記録する(書き出す)ことで、「したこと(=体験)」が、別の場面でも使える「わかったこと(=経験)」として、言葉になって残っていきます。これが、その後の学びに使える「ふりかえり」ができたことになります。さらに、「このように考えたから、わかった」や「このようにしたから、できるようになった」ということを「ふりかえり」として記録していくことができれば、自分の得意な学び方や、改善方法も見えてくるようになります。この「ふりかえり」を活かして、子供一人一人が、自分に合った学び方を身につけてほしいと願っています。