用語解説

評価の目的

学校から持ち帰る通知表。そこに書かれた数字や文章を見て、「うちの子は他の子と比べてどうなのか」と考えてしまうことはありませんか。実は多くの保護者の方が、そして教師でさえも、「評価」を「成績をつけること」「順位を決めること」だと捉えてきました。これは、かつての日本の教育が、「評価」を、子供を管理したり競争させたりする手段として用いてきた名残なのです。
しかし、本来の学校での学習評価の目的は、序列をつけることでも優劣を決めることでもありません。子供たちの力を伸ばすためのものなのです。先生は、子供たちの成長のために、学習の途中で「どこができているか」「どこをもっと伸ばせるか」を意識的に確認し、その場で子供に伝えています。この学習の途中で行われる評価を形成的評価といい、その情報を子供に届けることをフィードバックと呼びます。
実際、通知表を作成しない学校もあります。そうした学校では、普段の授業中のやりとりをもとに、面談でその子の成長を丁寧に伝えています。通知表の段階や数字(評定)は、成長の様子を分かりやすく示す一つの手段に過ぎません。むしろ「〜ができるようになった」「次は〜に挑戦してみよう」といった言葉のほうが、子供の具体的な成長や伸びしろを伝えやすいからです。
現在は、評価を「管理の道具」から「成長の道しるべ」へと転換する動きが広がっています。大切なのは、評価を受け取った子供自身が「次はこうしよう」と前向きに受け止められることです。評価が本当に意味を持つのは、学習者本人がその内容を受けとめ、自らの意志で成長に生かせたときなのです。