メタ認知とふり返り
授業でふり返りを行う目的は、その時間の学習内容を定着させたり(記憶に残す)、学び方が自分に合っていたかどうかを確認したりすることなど様々あります。ふり返りを行うことで、学習内容や学習方法を記録として可視化したものを後で参照でき、それを基に自分に合った学び方や得意・苦手な内容を理解し、次の学習計画作りに活かせます。
「認知」とは、話す・聞く・読む・書く・理解する・考えるといった、学習に関わる心の働き全般を指します。「メタ認知」とは、自分の認知についてもう一人の自分が上から見て考えているようなイメージで、「自分は理解しているか」「どうすればよりよく学べるか」といった問いに意識的に向き合うことです。これにより、自分で学びをコントロールできるようになります。
スポーツの世界では、練習の記録を自分の言葉で書き残すノートが近年注目されています。サッカー日本代表経験のある中村俊輔さんの「夢をかなえるサッカーノート」が出版されており、記録とともにそのとき感じたことや考えを記すことで、ふり返りを通して自分の課題と向き合えたと述べられています。
メタ認知は大人になっても役立つ自己調整能力の一つです。日々のふり返りの記録と、それを書き留める時間や見直す時間が、成長を導いてくれます。

