用語解説

学ぶと習う・教わる―似ている言葉を整理して学びについて考える―

「学ぶ」という言葉は、具体的な学習内容を決められていない場面で使うことが多くあります。対象が人(○○先生に学ぶ)であったり、こと(○○さんの生き方に学ぶ)であったりするように、「学ぶ」という行為は、教科の内容を身につけることよりも大きく、自分から行動して能力を広げるイメージです。一方で、「習う・教わる」とはその内容が決まっていて,相手から指導してもらうことでこの活動は成立します。言い換えれば、習う内容がないと習うことはできません。「習う・教わる」活動で知識や技能を身につけるときにも、「これができるようになりたいから。」とか、「このことを知ったら、わからなかった問題が解決できるから。」というように自分で課題をもつことが有効です。学習指導要領で示されている、「思考力や学びに向かう力」は、習えば身につくのではなく、学習内容に対して「なぜ、どうして」という「問い」を立て、さまざまな学習活動を経験して高めていくものです。子供たちには、「自分から学ぶ」ことを繰り返すことで、「習う・教わる」を含めた「学ぶ」こと全体のイメージをもてるようになってほしいと願っています。